仔猫がお家にやってきた!!
新しく家族を迎え入れた時予防やしつけと何をしたら良いのか困ったことはありませんか?
今日は、お家に来た時に何をしたら良いのかの第一段階として、病気と予防のお話をします。
子猫を迎えるにあたって、主にペットショップやブリーダーから購入したり、外で拾ったりすることがあると思います。
特に外で拾った子はノミやお腹に寄生虫がいたり、何らかの感染症にかかっていたりするかもしれません。
ですので、できるだけ早くに病院に連れて行き健康診断をすることをお勧めします。
健康診断と言っても何をしたらいいの?と、思いますよね?
①まずは、その子猫の一般状態・健康状態を知らなければなりません。
栄養状態はどうか、脱水はしていないか...そして、月齢はどのくらいかによっても食事や排泄の世話などが変わってきますので知っておきましょう。
②目ヤニ・鼻水が出ていれば何らかの感染症にかかっている可能性があります。
1.特に、子猫の時期に多い感染症では『猫かぜ』と言われるFVR:猫ウイルス性鼻気管炎にかかっている子が多いです。目ヤニや鼻水が出たり、ひどい場合には目ヤニにより眼が開かない子もいます。
点眼や投薬での治療が必要になってきます。
2.猫同士のケンカなどで唾液から感染する、『猫エイズ』と言われるFIV:猫免疫不全ウイルス感染症。
3.排泄物・乳汁・唾液・食器の共有などで感染する『猫白血病』と言われるFelv:猫白血病ウイルス感染症。
この2.3の二つの感染症は、病院の血液検査で検査することができます。感染していても発症していない場合もありますので、必ず検査をしてあげてください。
猫ウイルス性鼻気管炎の仔猫
③ノミやダニなどはついていませんか?
ノミやダニは大量についてしまうと、血を吸われることにより貧血を起こしたり、噛まれることにより皮膚病になったり、血液の病気を運んで来ることもあります。
動物だけではなく、人間も咬まれ病気に感染することもあるので必ず予防しましょう。
ノミ
ノミアレルギーによる皮膚病
ダニ 左は吸血後 右は吸血前
④寄生虫がいないかチェックしましょう。
お尻から便と一緒に白い長い虫が出てきたり、白い米粒の様なものが付いていたりしていませんか?目に見える寄生虫から顕微鏡でしか見えない寄生虫もいます。
もしできるのであれば、早めに便検査をしてあげましょう。
条虫
猫回虫
⑤猫も犬同様に、フィラリア症に感染します。
フィラリア症は心臓にそうめん状の虫が住みつく感染症です。猫は感染しても、ほとんど症状が観られませんが、喘息のような咳や呼吸困難などの症状が見られたり、最悪の場合突然死することもあります。
猫では診断が難しいので予防が大切になってきます。予防は5月~12月まで毎月一回同じ日にお薬を投与するだけでできます。ノミや寄生虫(猫回虫)と一緒に予防するタイプのお薬がありますのでおすすめです。
⑥健康状態が良ければ、生後二か月ほどでワクチンを打つことができます。
初年度のワクチンは免疫をしっかりと上げるために一回目のワクチンを打った三週間後にもう一度同じワクチンを打ちます。その後は、一年毎に追加接種を行ってしっかりと感染症から守ってあげましょう。
完全に室内飼いだから必要ない!!ではなく、いつ・どんなことが起きるか分かりません。もしかすると人間がウイルスを運んでくる事もあるかもしれません。
震災などが起き外に出て何らかのトラブルに巻き込まれる可能性もありますのでしっかりと予防しましょう。
⑦自宅に他の動物がいる場合は、感染症やノミなどがうつる可能性がありますのでしばらくの間は接触をさせないでください。
人間にうつる病気や、その猫ちゃんを触った手で他の猫ちゃんを触ることにより感染する病気もありますので、触った後は必ず消毒・手洗いをしましょう。
小さければ小さいほどお世話は大変になります。そして、心配も尽きないと思います。
しかし、新しい家族となったその子はきっとこれからの私達の生活を楽しく素敵なものにしてくれると思います。
何かお困りの事がありましたら、当院にご相談ください。
看護師 國政